悪意をもつ自分と正義はどこにあるかとか/ID:INVADEDの感想
AmazonPrimeVideoのリンクがうまく貼れない……
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かなり散文的です。2020年の春か夏ぐらいのアーカイブ。
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▼ IDってなんだ
- シグムント・フロイトの「イドとエゴ」
- イド:衝動的殺意 ⇔ エゴ :自我 ⇔ Sエゴ:社会性
- さらに井戸が係っている
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- これ自分はたまたま少し調べたことのある内容だったからすぐ腑に落ちたけど、踏み込まない人に分からせる説明ではない気がする 難しい話だ
殺意を感知する「ミヅハジメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして「ミヅハジメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。
▼ 「(犯人を)殺したいと思ったわけじゃなくて、俺なら殺せると思ったから殺した」
- 理解できるけど認めがたい怖さ
- 例えば虫を殺すときそうだと思うのだけど、明言されると怖い
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- 自分の殺意に自覚的かどうか問題、かなり好きなポイント
- 墓掘り怖っ!!!!!!
- 閉鎖空間と窒息の演出、実写でもアニメでも漫画でも息を止めてしまうんだよな
▼ 「人が傷ついたり死んでいくところを見て楽しいか?」
- 楽しいわけあるか……………………
- 犯人たち、人が死ぬところを見てみたいに繋がっていくのか?
- 衝動的殺意≓好奇心なんだろうか
▼ ミステリ系を見ていると、犯人の感情に共感する
- 犯人たちのそれぞれの考えに情動的共感がつのる
- 倫理人道というか社会性として、犯人≒正常ではないとすると「犯人に共感する自分も正常ではないのか?」みたいな不安がやってくる
- ここで考える時間を取れているということは自分にも社会性がある…という安心感もある
理性的に動けないし、今生で探偵や警察を志さなくてよかった
▼ 純粋な好意で人を殺していたから殺意を検知できない!?
- ほんとか!?
- なんとなく理解できる知識もない
▼ 鳴瓢さんにもらい泣く
- 津田健次郎、本当に演技がうまい、苦しくなってしまう
- 内容を深く理解する前に、しんどい声だからしんどくなる
▼ 富久田 保津とかいうパンチの効きすぎる男
- 生きるの楽しいのか辛いのか分からないけど、死にたくはなさそう感をかなり出していて、おもしろい
- ちゃんと人間をやっている感じがする
- ウワーッ! おしっこ!
▼ 名探偵の3人
- 辛くて苦しいけど一生懸命生に生きてきた現実を選ぼうとする瞬間が無限に好きなので、井戸3人の幸せを願わずにいられない
- 後悔しない殺人を背負っているので、善悪を絡めて理解できるかとか、リアル知人として許容できるかとかは別の話になる
- 何においてもヴォルテール「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」
- 何かを断罪するためにこの物語を追いかけている訳ではない
▼ 「7は好きだけど7を好きな奴は嫌いかな」
- オシャレな嫌味だ
- これ一言で富久田の厭世的な感じが分かっておもしろい
- しかしこういう言い方を実際すると周りがムム…になると分かるぐらいの社会性はある
▼ 井戸≒人が抱える地獄と地獄の可視化
- イドは井戸で異土で、地獄だったかも知れない
- 生きているいろんな人のいろんな地獄があるけど、他人には見えない
- IDを見ていると、その辛さ、分かる! という形の一次的な救いが発生する
- 自分の中でうまく言語化できていない気持ち・考えに近しいものを当てはめてもらえる形の共感は、一次的な救いだと思う
- 自分が左脳インプットタイプだからかも分からんが
▼ 井戸≒地獄から出ようとし続けること
- 生きているあるいは死にたくない誰もがもつテーマ
- 今このとき、自力でも他力でも抵抗できない状態なら、助けてくれる何かを信じて井戸の底で耐えることも大事な決断で、間違いではないのだ、という形でカエルちゃんが肯定されたのは、かなり良い
- 望まない現状に抗い続けることが善だ! と正しさでまとめてしまいがちだけど、戦えない人には戦えない人のなりの闘争と恭順の時があり、その存在も認められる 救いだ
▼ ジョンウォーカーの考え方
- 己の中に善性を見いだせない≒怒られるので悪いことはしない≒「正義は外にある」
- すごい台詞だ
- 自分の知らない考え方だ めちゃくちゃ刺激的で良い(※善いではない)
- 自分は自分自身がやってはいけないと思うから人を殺すなどいかんと思うし、好奇心も敵意も自分で抑制できるけど、ジョンウォーカーは「怒られたら嫌」で自分を抑えている
- 衝動と自我と社会性の間に壁が一枚ない感じ、かなり怖いし、ままそういう人はいる
- そういう人の善し悪しは置いておいて、考え方はかなり知りたい
- 本堂町の「目的のためなら死んでもいい」という考え方も含めて、かなり人間という感じがする
- どんだけ語彙がないのか
- 理解できない登場人物がいるということは、自分の知らない、自分が思い浮かべられないことを考えられて、無いものを在るように構築して生み出せる人がいるということで、やはり人間が好きだなというところ
Original 不明
2021/07/29 加筆修正